
同時にいろんなことが起こるとパニックになります。
私はどうしたら良いんですか??
「同時発生するイベント」は、正式には『多重課題』と呼ばれ、私たち看護師にとって、いちばんのやっかいゴト。
今、この対応が出来ないと悩んでいる方、安心してください。みんな同じです。
ではなぜ、先輩看護師はできているのか?
それは、先輩たちは経験があり『方法論』が出来上がっているから(はじめはできません)。
今回は、新人のあなたにその枠組みを作るため、多重課題とその対応について投稿します💪
多重課題とは?

多重課題とは”複数の業務が同時に発生した状態”
看護の現場では3つ以上の業務が重なることも頻回。それに対応してこそ『業務を回せている』と評価されます。
多重課題には2種類ある
順に説明します。
『予測できる』多重課題
これは、複数のやることが同時に予定されている状態です。
例えば「10時に点滴交換・検査だし・採血」など、イベントが重複して予定されている状態です。
この場合は、情報収集の時点で発生を予測することができます。
『予測できない』多重課題
これは、何かの業務をしている時に予定外のイベントが発生した状態です。
例えば「点滴の作成中にナースコールが鳴った」「検温に行く途中に医師から介助を頼まれたとき」などがあります。
『予測できない多重課題』は本当にやっかいですよね、、、。
問題は『多重課題の先にあるもの』
これではまだ、独り立ちできません。
実際に、新人看護師が多重課題のストレスを感じるピークは『入職後2ヶ月から6ヶ月』です(参考)。
まさに、独立できるかの見極めの時期ですね。
多重課題への対策【まずは予防】
多重課題は起きてしまうとやっかい、まずは全力で発生を予防します。
発生を予防するには?
多重課題の発生を予防する方法は、業務の『ずらし』と『先回り』です。
この2つが大事、順に説明します。
1. 行動計画の段階で前後にずらす。
例えば、オーダー上で「14時に検査だし・清拭・点滴交換」となっていても
- 清拭は30分前にずらして実施(もしくは検査出しの後)
- 点滴は検査だしの前に交換する(キープは少しなら早めでも影響なし)
- 検査出しは予定時刻のとおり(他部署も絡むので最優先)
時間をまもる必要性で優先順位をつけます。
こうすれば、もう多重課題ではなくなりますね。
もちろん「便汚染している」など、緊急性のある清拭はすぐにやりましょう😅
優先順位にかかわる様々な要素があります。
なので、慣れないうちは「考えた順序が正しいのか」プリセプターやリーダー看護師に相談するのがいいでしょう。
2.「いつか起きること」は先回りしておく

必ず起きることとは、例えば「定期的なトイレ介助」「点滴の更新」などです。
これらは、検査出しのように、長時間がかかる業務の前に済ませましょう。
そうすれば、何かの最中に発生して多重課題となるのを防げます。
多重課題が発生したら優先順位で決める

まずは優先順位をつけて対応する
いくら予防していても多重課題は発生します(しかも頻回に)。
そんな時は、まず冷静に優先順位を考えましょう。焦ってパニックになると判断を間違えます。
優先順位の原則は以下の2点。
- 重要か?(安全にかかわる?)
- 緊急か?(後からでは遅い?)
この度合いによって取りかかる順番を決めます
例1 検温と人工呼吸管理
例えば「検温に行く途中に、他の患者で挿管チューブの固定がゆるんでいるのを発見した場合」
このケースでは挿管チューブの固定が悪くなっている=事故抜管のリスクであり危機的状況です(よくぞ気付いた)。そのため、検温よりも固定の強化を優先するのが正解。
例2 ガーゼ交換とトイレ介助
次は「定期のガーゼ交換に行く途中、他の患者からトイレに行きたいと言われた場合」
『トイレに行きたい=遅れると失禁=着替えが発生』という事態を防ぐには”いますぐ介助する”しかありません。
それに対して『定期のガーゼ交換=少しの遅れは問題にならない』と考えることができます。
なので、緊急性の低いガーゼ交換は時間をずらします。
どちらも重要なら「助けを呼ぶ」
例えば「挿管チューブのゆるみを発見」「急いでトイレに行きたい患者」が、同時に発生したら、1人で対応するのはムリです。
ここは、助けを呼びましょう。
忘れないで欲しいのは、元来『看護はチームワーク』だということ。
なぜ、看護にチームワークが必要なのか?
それはまさに「多重課題に対応するため」で、1人では限界があり「患者の安全をまもるために看護チームとして働いている」と、肝に銘じましょう。
ピンチをすぐに伝えられる(または察してもらえる)ように、普段から「報告・連絡・相談」を心がける必要があります。
まとめ
今回は多重課題の内容と、その対応を投稿しました。
以上でした。
多重課題の枠組みはできましたか?
現場の状況を思い浮かべながら効果的に取り組みましょう😀