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多重課題とは?正しい対応を解説【新人看護師むけ】

看護師の多重課題とは?分かりやすく説明する。
新人Ns
新人Ns

同時にいろんなことが起こるとパニックになります。

私はどうしたら良いんですか??

「同時発生するイベント」は、正式には『多重課題』と呼ばれ、私たち看護師にとって、いちばんのやっかいゴト。

今、この対応が出来ないと悩んでいる方、安心してください。みんな同じです。

ではなぜ、先輩看護師はできているのか?

それは、先輩たちは経験があり『方法論』が出来上がっているから(はじめはできません)。

今回は、新人のあなたにその枠組みを作るため、多重課題とその対応について投稿します💪

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多重課題とは?

看護師の仕事は多重課題の連続
看護師の仕事は『多重課題』の連続

多重課題とは”複数の業務が同時に発生した状態”

よくある多重課題の場面
  • 検温中にナースコール
  • 医師の介助とナースコール
  • 検査だしと点滴交換(とナースコール)
  • 排泄介助と家族対応(とナースコール)
  • などなど

看護の現場では3つ以上の業務が重なることも頻回。それに対応してこそ『業務を回せている』と評価されます。

多重課題には2種類ある

多重課題のタイプは、以下の2つ
  • 予測できるもの
  • 予測できないもの

順に説明します。

『予測できる』多重課題

これは、複数のやることが同時に予定されている状態です。

例えば「10時に点滴交換・検査だし・採血」など、イベントが重複して予定されている状態です。

この場合は、情報収集の時点で発生を予測することができます

『予測できない』多重課題

これは、何かの業務をしている時に予定外のイベントが発生した状態です。

例えば「点滴の作成中にナースコールが鳴った」「検温に行く途中に医師から介助を頼まれたとき」などがあります。

『予測できない多重課題』は本当にやっかいですよね、、、。

問題は『多重課題の先にあるもの』

多重課題に対応できないと、こうなります
  • 仕事が回らない
  • 精神的にパニック
  • ヒューマンエラー
  • 患者、治療への影響

これではまだ、独り立ちできません。

実際に、新人看護師が多重課題のストレスを感じるピークは『入職後2ヶ月から6ヶ月』です(参考)。

まさに、独立できるかの見極めの時期ですね。 

多重課題への対策【まずは予防】

多重課題は起きてしまうとやっかい、まずは全力で発生を予防します。

発生を予防するには?

多重課題の発生を予防する方法は、業務の『ずらし』と『先回り』です。

この2つが大事、順に説明します。

1. 行動計画の段階で前後にずらす。

例えば、オーダー上で「14時に検査だし・清拭・点滴交換」となっていても

  1. 清拭は30分前にずらして実施(もしくは検査出しの後)
  2. 点滴は検査だしの前に交換する(キープは少しなら早めでも影響なし)
  3. 検査出しは予定時刻のとおり(他部署も絡むので最優先)

時間をまもる必要性で優先順位をつけます。

こうすれば、もう多重課題ではなくなりますね。

もちろん「便汚染している」など、緊急性のある清拭はすぐにやりましょう😅

優先順位にかかわる様々な要素があります。

なので、慣れないうちは「考えた順序が正しいのか」プリセプターやリーダー看護師に相談するのがいいでしょう。

 

2.「いつか起きること」は先回りしておく

多重課題 看護師

必ず起きることとは、例えば「定期的なトイレ介助」「点滴の更新」などです。

これらは、検査出しのように、長時間がかかる業務の前に済ませましょう。

そうすれば、何かの最中に発生して多重課題となるのを防げます

多重課題が発生したら優先順位で決める

優先順位の考え方

まずは優先順位をつけて対応する

いくら予防していても多重課題は発生します(しかも頻回に)。

そんな時は、まず冷静に優先順位を考えましょう。焦ってパニックになると判断を間違えます。

優先順位の原則は以下の2点。

  • 重要か?(安全にかかわる?)
  • 緊急か?(後からでは遅い?)

この度合いによって取りかかる順番を決めます

例1 検温と人工呼吸管理

例えば「検温に行く途中に、他の患者で挿管チューブの固定がゆるんでいるのを発見した場合

このケースでは挿管チューブの固定が悪くなっている=事故抜管のリスクであり危機的状況です(よくぞ気付いた)。そのため、検温よりも固定の強化を優先するのが正解。

例2 ガーゼ交換とトイレ介助

次は「定期のガーゼ交換に行く途中、他の患者からトイレに行きたいと言われた場合

『トイレに行きたい=遅れると失禁=着替えが発生』という事態を防ぐには”いますぐ介助する”しかありません。

それに対して『定期のガーゼ交換=少しの遅れは問題にならない』と考えることができます。

なので、緊急性の低いガーゼ交換は時間をずらします。

どちらも重要なら「助けを呼ぶ」

例えば「挿管チューブのゆるみを発見」「急いでトイレに行きたい患者」が、同時に発生したら、1人で対応するのはムリです。

ここは、助けを呼びましょう。

忘れないで欲しいのは、元来『看護はチームワーク』だということ。

なぜ、看護にチームワークが必要なのか?

それはまさに「多重課題に対応するため」で、1人では限界があり「患者の安全をまもるために看護チームとして働いている」と、肝に銘じましょう。

ピンチをすぐに伝えられる(または察してもらえる)ように、普段から「報告・連絡・相談」を心がける必要があります。

まとめ

今回は多重課題の内容と、その対応を投稿しました。

内容のまとめ
  • 多重課題には「予測できる」「予測できない」の2種類がある
  • 予測できるものは時間をずらしたり、先回りして発生を防ぐ
  • 多重課題が発生したら、まず冷静に優先順位を考える
  • 必要ならすぐに助けを呼ぶ
  • 行動スケジュールは細かく「報告・連絡・相談」する

以上でした。

多重課題の枠組みはできましたか?

現場の状況を思い浮かべながら効果的に取り組みましょう😀

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