
接続詞のレパートリーが少なくて文章が短調になっちゃう。
どうやって使い分ければ良いのか分かりません。
無意識のうちに同じ接続詞を多用してませんか?(そして、そして、しかし、しかし等)
同じ接続詞を使い続けると文章が短調になり、読み手に幼稚な印象を与えます。
反対に、複数の言い回しを正しく使うと、話の流れが整理されて読みやすい(=評価が高い)レポートが出来上がります。
今回は、石黒圭著「文章は接続詞で決まる」から接続詞について学んでいきます。
以下に当てははまる方はご参照ください
- 文章が単調になっている
- 同じ接続詞ばかり使ってしまう
- 場面に適した接続詞が分からない
単純に「文章の書き方が分からない」と悩んでいる方はこちらを参照してください。
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長いので、文章で置き換えたい(多用しがち)な接続詞を。

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接続詞の役割
接続詞には以下のような役割があります
- 連続関係を示す
- つながりをなめらかにする
- 焦点をしぼる
- 構造を整理する
なので、私たちは文中でこれらの機能を使いたいときに接続詞を使えば良いわけです
接続詞は文章の道すじを示し理解を助ける
カレーの作り方です
まず・・・
つぎに・・・
それから・・・
ここで・・・
そして・・・
最後に・・・
以上、これだけでカレー作りの光景が目に浮かびませんか?
このように、接続詞を正しく使うと文章の流れが分かりやすくなります。理解しやすいということは、読者であるレポート評価者に対しても好印象ですね。
接続詞の置き換えは文章にリズムを作る
接続詞は同じ目的に対して複数の種類があります。
例えば「そのため・それで・よって」は、それぞれが前文からの展開を予告する意味があります。
同じ意味合いの接続詞を知っていれば、以下の文のように接続詞を置き換えて、リズムを整えることができます。
私は今月お金がない、そのため、食費を節約する必要がある。そのため それで、今晩は安いお弁当で我慢する。そのため よって、仕事帰りにお弁当屋さんへ行く。
こんな感じで、『同じ接続詞を多用してしまう』という方は同じ意味の接続詞に置き換えてみましょう。
順接と逆説
順接の接続詞とは、因果関係が一般的知識として書き手と読み手の双方に存在していることをつなげるもの。
「だから」など。
例:今日は雨が降る、だから、傘をもって出かける。
逆説の接続詞とは、前提に反することを予測するもの
「しかし」など。
例:今日は雨が降る予報だった、しかし、晴れたままだった。
論理的につなげたいときの接続詞
論理的展開には必須!
【順接】確定的な原因と結果をつなげる『だから』系
「寝不足だ」→「眠たい」
この→に相当する接続詞です
つなげると「寝不足だ、だから、眠たい」となり、原因と結果が常識の範囲でつながります
だから系の接続詞には
- 「そのため」:「だから」よりも強引ではなくレポート向き
- 「それで」:会話や砕けた文章に
- 「よって」「したがって」:論理的に必然性の高い結論に導くとき
【順接】仮定から結果を考えるとき『それなら』系
明日は雨が降るらしい→遠足は中止だろう
この→に相当する接続詞です
つなげると「明日は雨が降るらしい、それなら、遠足は中止だろう」となります
このように、『それなら系』は仮定の条件から結果を考えるときに使います
この系列は以下のようになり、ニュアンスによって置き換えが可能です
- それでは
- そうしたら
- そうすると
- だとすると
【逆接】『しかし』系は便利、しかし多用は避けるべし
「しかし」は先行する文脈と後続する文脈の食い違いを強調する接続詞です
今日は晴れだ→寒い
この→に相当する接続詞です
つなげると「今日は晴れだ、しかし、寒い」となります
便利なので「しかし」を多用しがちですが、推敲の段階では他の接続詞に置き換えてみて、文章の単調化を防ぎましょう
- 「だが」:しかしほど強くないが、少し違いを強調したい
例「今日は晴れだ、しかし、寒い」→「今日は晴れだが寒い」
- 「それでも」
例「よく頑張った、それでも、結果は振るわなかった」
【逆接】「しかし」より強い否定の『ところが』系
『ところが系』は想定外の展開を表す逆接に使います
みんなは無理だと言った→彼女はやってのけた
この→に相当する接続詞です
つなげると「みんなが無理だと言った、ところが、彼女はやってのけた」となります
読み手に「信じられない!」とか「まさか!」を表現することができます
置き換えは
- 「にもかかわらず」:少し硬い文章
- 「それなのに」:柔らかい文章、書き手の不満や不思議に思っているようすが伝わる
整理したいときの接続詞
複数の事柄を整理するのに使う
共通・類似した複数をつなぐ【並列の接続詞】
同じような事柄をつなぐ場合は「そして」「それから」「また」があります
1つだけを多用しないように意識して使い分けます
順番が付けられず、あくまで類似した複数をつなぐときです
例「家電はテレビ、そして、冷蔵庫、それから、洗濯機、また、エアコンがある」
レポートでは
看護師のストレス係数が高い理由は責任のある仕事であること、そして業務が多岐にわたること、それから夜勤があり生活リズムが崩れること

最後の念押しには「それに」「しかも」「そのうえ」などがあります
これは最後に付け加えるときに使うので、何度も登場することはありません
違いや対立することをならべる【対比の接続詞】
2つの事柄の違いに注目するときは「一方」「他方」「反対に」「対して」を使います
以下の文章では「一方」を置き換えても意味が通じます。
例:自転車は細い道を行くことができる。一方、車はそうはいかない
共通・類似した事柄に順序をつける【列挙の接続詞】
順序を付けて事柄を紹介するときに使います、以下の流れに沿って使います
それぞれが時系列に関係ないとき「第一に」→「第二に」→「第三に」
順序を重視したいとき「最初にorはじめに」→「つづいてorついで」→「その後」
便利!時系列に関係ありなしどちらでも使える「まず」→「つぎに」→「さらに」
注意するべきは、列挙の前にこれから列挙する事柄について説明することです
これがないと読者の頭は「????」となり、余計な推測に頭を使います。これがレポートなら減点になるでしょう。
例えば
いきなり
「まず野菜を切る、つぎに鍋にいれ煮込む、さらにルーで味付けする」
これで何を作っているのか分かりますか?
最後のルー投入でカレーだと分かりますが、それまでは、お味噌汁?お鍋?選択肢が多くて混乱します。
分かりやすくするには、文章の冒頭に短くこれから何について語るのか説明します。
「カレーの作り方です。まず野菜を切る、つぎに鍋にいれ煮込む、さらにルーで味付けする。」
これなら先に思考のレールが引かれているので、読み手はあれこれ考えなくても流れがスムーズに入ってきます。
理解を促したいときに使う接続詞
読者に対して、今からまとめるよ!と予告する接続詞です。
代表的なものには以下があります。
- つまり
- むしろ
- たとえば
- とくに
それぞれの置き換え言葉をみていきましょう
「つまり」は、今から要約することを提示するときに
置き換えるなら「ようするに」「いわば」「すなわち」になります
注意するべきは、【これから述べること】が、これまでの文章でしっかり固められていることです
例:「今日は頭が痛い、体がだるい、熱もある、つまり、会社を休みたい」
「むしろ」は、別の表現で言い換えるときに
置き換えるなら「かえって」「そうではなく」になります
注意すべきは、【言い換えたことの根拠】を提示する必要があることです
例:「資産は多い方がいいのか、むしろ、少ない方がいい、遺産相続で遺族が争うからだ」
「たとえば」は、例えばなしの予告に
「たとえば」は抽象的なことの例を具体的に述べるときに使います
置き換えるなら「具体的には」「事実」「実際に」などです
例「登校中は危険がたくさんある、たとえば、交通事故のリスクである」
「店舗にとって値上げは危険である、実際に、値上げ後は10%の客離れがあった」
「とくに」で、特別な例を強調する
ここぞの場面で読者を「なんだ?」と引きつける効果があります。
置き換えるなら「とりわけ」「なかでも」があります。
例「野菜が苦手だ、とくに、ナスビがきらいだ」

レポートでは主張を強調したいときに使えます
「ただし」で情報を補足する
情報を付け加えて、より正確にしたいとき使います。
置き換えるなら「もっとも」「なお」などがあります。
例「子どもにハサミを使わせてもいい、ただし、見守りが必要」
話を展開したいときに使う接続詞
その後の展開がどう変わるかを予告します
「このように」で、これまでの内容をまとめる
今までの文章の結論に入ることを予告する接続詞です
置き換えるなら「こうして」「以上」などがあります
「事柄1、事柄2、事柄3、このように、◯◯である(主張)」
という使い方ができます

レポートでは「課題を具体的に述べよ」が多くありました
『このように』は具体的に述べたことをまとめて結論づけるときに便利です
このように、接続詞の種類やニュアンスは豊富です・・・
接続詞の見直しは大切
文章表現は奥が深いです
レポートも自分では「書き終わった!」と思っていても、しばらくして見直すと全く意味が分からなかったりします
とくに接続詞の誤用は多く、無意識のうちに同じ接続詞を多用していることがありました
推敲作業で接続詞の専門書や解説書があると心強いと思います

この本をファーストレベルに行く前に読んででホントに良かったなと思います
接続詞に限らず、知っていればレポートがもっと楽になる文章術があります。
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