
転職後にうまく働けるのか心配です
どこでも働ける人の能力ってなに?
それは『物事を抽象化する能力』です。
看護計画やタイムスケジュール、医療の現場で働く看護師に求められるのは多くの場合『具体性』です。
一つの職場だけを考えるなら、それも大事で
という「具体的な方法だけ」を知っていれば良いでしょう
しかし、転職において肝心なのはその反対。
つまり『抽象』です。抽象をおろそかにすると転職で成功できません。
✔︎ 転職や部署移動で失敗する人の特徴には以下があります。
- 応用が効かない
- 経験だけに頼っている
- 新しいやり方の理屈が分からない
皆さんの周りにも思い浮かぶ人はいませんか?
これらは全て『日頃から具体性ばかりを優先した結果』です。
今回は『具体と抽象』について知り、場所が変わっても通用する自分を目指しましょう。
- 応用が効かず悩んでいる
- 転職後の仕事に不安がある
- 転職に向けて知識を再確認したい
具体と抽象について

それぞれの特徴を”まとめる”と、こうなります。
具体の特徴
- 直接目に見える
- 「実体」と直結
- 一つ一つ個別対応
- 解釈の自由度が低い
- 応用が利かない
- わかりやすい
- 文字数が多くなる
抽象の特徴
- 直接目に見えない
- 「実体」とは一見乖離
- 分類としてまとめて対応
- 解釈の自由度が高い
- 応用が効く
- わかりにくい
- 文字数は少ない

看護業務で言えば『根拠=抽象』で『実際の方法=具体』になります。
抽象は教科書、具体は方法
教科書は抽象的です。例えば「確実な投薬管理を行う」と抽象的に書かれています。
ところが、実際に『確実な投薬』を実施するとなると、以下の具体的行動まで掘り下げる必要があります。

看護学生は、学校で『抽象』を学び、実習では『具体』を経験します。
この2つが結びついてこそ、『実践』が可能になります。
『応用が効かない人』の転職はハイリスク

今の職場で『応用が効かない人』は転職に失敗するリスクが高いと言えます。
理由は、応用を効かせるための『抽象化スキル』が不足しているからです。
【抽象化とは?】
抽象化とは複数の物事から共通する事項を見つける思考法。
例えば『りんご・バナナ・ブドウ』これらは抽象的に言えば『フルーツ』です。
同じように『日本人・アメリカ人・メキシコ人』はすべて『地球人』という抽象概念で表す事ができますし、『看護師・医師・PT』は医療職という括りになります。
この抽象化が上手くできないと、一つの経験で一つの事しか学べません。
『フルーツ=甘い果実』であると知っていれば、全く知らない『スネークフルーツ』という果物をみても、フルーツという枠組みから「甘い果実である」と推測する事ができます。

よく「1教えて10わかる人」と言いますが、これは経験を抽象化して他の機会にも応用できる人のことを指します。

新人でもこれが出来る人はすぐに伸びますね。
インシデントの対策も抽象化できるので、ミスが少ない傾向となります。
日頃の業務は『抽象的な原則』を基礎にしている
なぜこの抽象化が大切なのか?
それは、日頃の業務の根底には『根拠=抽象』があるからです。しかし、何も考えていないとその根拠までたどり着きません。
それでは場所が変わったときに応用が効かずに、また1からの学び直しです。
例えば、吸引の手技

いつも使っている吸引カテーテルの”このメモリ”まで入れる。とだけ覚えている人は、場所が変わって使うカテーテルが変わった瞬間に、どの程度入れれば良いの?と分からなくなります。
抽象的な解剖や患者の身長から、正しい長さを推測する事ができれば場所や物が変わっても安全に手技を行う事ができます。

たまに「根っこまで入れないと気が済まない人」がいるよね
抽象を意識しないと『場慣れしただけの人』になります
このように、抽象的な原則を理解していない人は「その場に慣れただけ」です。
根拠や新しいことは分からず
- いつもこうだから
- やったことがないから
- そう決まっているから
が口ぐせで、応用が効きません。
「部署経験の長さ」だけが頼りの人です。
抽象化OK? 転職の前に確認すべきこと
以下の点は転職前に確認しておきましょう。
普段から、これらの事を「Why?」で突き詰めましょう
人類の体の仕組みは『解剖生理学』で抽象化されています。なので、これをおさえれば、転職先はもちろん、海外でも働けます。せめて所属する領域の解剖生理の知識は高めておきましょう。
また、マニュアルの根拠を知ることは「前の病院ではどうやってた?なんで?」という転職者に100%投げかけられる質問への準備です。

やり方だけ覚えて、根拠を言えないのは減点ね
医師の指示も同じ。根拠を知らないと『ただの看護師ロボット』です。
物事を俯瞰する『メタ思考』は人生を左右します

『メタ思考』は物事を一つ上の視点から考えること。問題に対して解決策を探すときに幅広い領域で問題を見つめ直す思考法です。
メタ思考であるためには『りんご・バナナ・ブドウ』→『フルーツ』のような抽象化の視点も重要となります。
現在僕は転職して幸せな看護師人生を送っていますが、転職のキッカケはメタ思考でした。
つまり、『幸せな人生(抽象)』を実現するための具体策が転職だった。ということです。
- 幸せとは何か?(はじまり)
- 家族が不自由なく暮らすには?(→収入UP)
- 自分が健康的に暮らせる職場環境は?(→休みUP)
- 今の職場で到達可能か?(できない→視野を広げて転職する)
というように、問題解決のために視野を広げた結果、必然的に転職に至りました。
結果的に、生活のなかで仕事の負担が減って、理想の職場にたどりついたと思っています。
ただ、職場環境の変化は十分にあり得るので、更なるメタ思考で転職活動は続けている訳です。
この思考のおかげで、必要なときに動ける状態です。
まとめ

今回は『具体と抽象』『メタ思考』について投稿しました。
以上です。

てかさぁ、この記事自体がとても抽象的よね?
と言われそうですが、ご自分の経験で具体化してください😅