看護管理実践計画書とは?計画立案や書き方を解説します(編集中)

看護管理実践計画書の書き方管理職✏️ファーストレベル
なーさん
なーさん

こんにちは、なーさんです。
こちらのページでは『看護管理実践計画書について』を編纂していきます。

これまでの投稿でも述べてきましたが、ファーストの目的は『看護管理実践計画書の作成』です。管理者を育てる研修なので、看護学生が看護計画を学ぶように「管理計画」を学ぶ訳です。

看護管理実践計画書についてまとめている本はまだ少なく、現時点では「佐藤美香子著:看護管理実践計画書標準テキスト」がとても参考になるのでお薦めです。(みんな買ったり見せあったりしていました)

上の本がよく売れているからでしょうか、2020年秋には看護の本でお馴染みの”原玲子先生”も本を書いています。原先生の著書が合う人はこちらも良いかもです↓↓

また、そもそも文章を書くのが苦手!という人は、本で文章の書き方を読むのをまずお勧めします。頭では分かるけど文章化できない時は本を読むとすらすら書けます。

看護管理実践計画書とは?

mug watch and planner book on brown wooden surface
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まず、「看護管理とは何か?」を知る必要があります。
様々な言い回しがあるので看護協会と聖路加国際病院の定義を見てみましょう。

 看護協会
看護管理者とは、看護の対象者のニーズと看護職の知識・技術が合致するよう計画し、財政的・物質的・人的資源を組織化し、目標に向けて看護職を導き、目標の達成度を評価することを役割とする者の総称をいう。(下線の部分が看護管理の定義)

看護協会HP 参考はこちらのP38

 聖路加国際病院
「看護管理とは、看護が効率的にそして倫理的に行われ、その目的が果たせるように環境を整え、実践者を支援すること」

聖路加国際病院HP

この看護管理を果たすための計画を『看護管理実践計画』、それを見やすく形式化したものが『看護管理実践計画書』です。

なーさん
なーさん

看護師の本務は『良質な看護の提供』です。
それができる看護師を教育し、サービス提供の仕組みを作るのが看護管理です。

「看護管理実践計画書」は何のために作る?

時代は変わり、求められる医療・看護は変化します。変化に対応出来ない組織は生きていけません。

我らが?ナイチンゲールも『進歩し続けない限りは、 後退していることになるのです』とおっしゃっています。

そのため、看護管理者は自組織を『求められる理想の姿』に近づけるために現状分析、課題の明確化、対策を繰り返す必要があります。

ここで、たとえ高度な分析に基づいた計画であっても、自分以外の者に伝わらないのでは絵に描いた餅状態です。なので、『看護管理プロセスの見える化』を行う必要があり、管理者は『看護管理計画書』によって自組織の構成員にビジョンを示します。

現在お国は医療費抑制のために『入院期間短縮化』やそれに繋がる専門性の高い医療を求めています。
国には診療報酬を調整することで、医療のカタチを整える権力があるため、変化することが出来ない医療組織は収益が下がり消えるのみです。
そうならないように、看護管理者は組織の変化を引率する役割があります。

「看護管理実践計画書」の項目・構成は?

看護管理計画は『問題解決のプロセス』です。

計画の流れは以下のようになります。

「看護管理実践計画の立て方」の順序

  1. 背景・動機
  2. 現状把握:自部署の紹介(データ)、理想の姿
  3. 現状分析:各種フレームワークで
  4. 課題の明確化
  5. 目標を設定する
  6. アクションプラン
  7. 実施・評価とプランの修正

このうち、ファーストレベルの期間中に求められるのは1〜6のアクションプランを書式化するところまでです。

A先生
A先生

あとは部署に戻ってから実施してください

実践報告会の参加を楽しみにしてますよ〜

という感じで、一年後とかに希望者のみ実践報告会があります。

なーさん
なーさん

ということは、自分の立場で実践可能な計画じゃないといけません。まだ管理職でない人が人事のことを計画しても実行できないので無駄ですね。

まずは、現状把握から

カーナビは”現在地情報”が無いと使えません。

何をやるにも、まずは現状把握です。

現状把握で知るべき対象は2つあります。それは、自組織の「現状」と「理想像」です。

ファーストカリキュラムでは「ヘルスケアシステムⅠ」が最初の講義です。それは、まずヘルスケアシステムで現在の医療に求められているものを知り、自部署の役割を考えることが看護管理の出発点となるからです。

把握すべきは『理想の現状』と『自部署の現状』

地図を見ながらある目的地に行く場合、今いる場所(現在地)が分からない事には道のりは分かりません。

看護管理実践計画書で用いる「理想の現状」=「目的地」、「自部署の現状」=「現在地」と置き換えることができます。そのズレが問題であり、到達するための動きが課題・対策となります。

理想の現状と自部署の現状の違いが問題

理想は変化します。
なので、理想の現状を知る事が大切です。

例えば、昔の集中治療の理想は「患者を鎮静剤で眠らせて体力の消費を抑えた状態で治療を進める」でした。ICUの患者は寝たきりで人工呼吸器などの機械に繋がれている。というイメージです。

しかし、現代のICUでは「動ける患者にはリハビリをさせて身体機能の廃用を予防する」が理想となっています。

真逆ですね、なぜ変化したのでしょうか?それは研究が進んで医療が変わったからです。
早期リハビリは入院期間短縮や退院時のADL保持に有効と考えられているため現在では国も加算を付けて後押ししています。

まとめると、現在では「早期リハビリが出来るICU」が理想であり、各施設のICUにおいては『早期リハビリが行える体制づくり』が課題となっています。

このように、時代によって理想は変化し自部署との違いが生じます。

理想と現状が一致しているのが理想的、違いがあるのは『問題』があると言います。

現代の理想の知り方

組織における「理想」とは、その組織の「あるべき姿」です。

この、あるべき姿については、現在の世相が影響するためヘルスケアシステムが大事な教科になります。ヘルスケアシステムで社会が自部署に求めている機能を考える事ができます。

ただ、受講前のファーストの募集レポートでも問題や課題を問われることがあるので

ヘルスケアシステムを受講するまで待てません!

という方もいるでしょう。そんな時は「自分の施設がやっていることから遡る」のも1つの手段です。
次の章で解説します。

国の政策までさかのぼるとハッキリする

ヘルスケアシステムを受講すると「日本の医療福祉の問題点→国の課題→政策→各施設の課題→自施設の課題→取り組み」と言うように医療の全体像を俯瞰できます

これは、逆に辿っても良くて、「自分の施設が取り組んでいること(入退院支援強化など)がなぜ大切なのか?」という視点で、国の動きまでさかのぼっても理解が深まります。

各医療界の取り組みの大元には国の方針があり、その前には国が抱える問題がある

授業とは逆の流れですがピンポイントに学習できます

なーさん
なーさん

ヘルスケアシステムは学生以降、学習が止まっていた分野でした。
受講して、なぜ今、国がICUのリハビリに加算を付けているのか?在宅医療への移行を進めているのか?などの疑問の答えが1つに繋がりました

自部署の現状把握は『 6W3H 』と『数値化・比較』でやる

自部署の問題を他人に伝えるためには客観的視点が必要です。

客観性をもつために『6W3H』の視点で問題をとらえましょう。

看護管理実践計画書 6W3Hで現状把握
6W3Hとは・・・

問題の性質によっては全てを当てはめることが出来ないこともありますが、多方面から見つめることで気付きがあり、人に説明しやすくなります。組み立てれば文章にもなりますね。

数値で知る

自部署の現状を知るには”各種数値のデータをとり他所と比較”します。比較する事で、自部署ができていない事がハッキリしますね。

この数値で比較する方法はレポートにした時に具体的かつ客観的な記載になるためしっかりとデータを採取します。

なーさん
なーさん

各種委員会がまとめた数値を厚労省や学会が出した数値と比較しました

すると

  • 褥瘡発生率・・・水準以上
  • 個人防護具や手指衛生回数・・・水準以下
  • 離職率・・・水準と大きく違いなし
  • 入退院支援・・・水準以下
  • 早期リハビリ・・・水準以下

などの自部署の現状が分かってきました

現状分析

理想と自部署の現状が把握出来たら現状分析、2つの手法を紹介します。

  • PEST分析:自部署の外部環境の分析
  • SWOT分析:内部環境と外部環境の分析

まずPEST分析で外部環境をよく分析し、SWOTで自部署の特徴と掛け合わせます。

PEST分析 〜コントロール困難な外部環境〜

マクロ分析には PEST分析です、マクロというのは「大規模・大きな」という意味で、対義語はミクロで「小さな」となります。

意味       例えば
Polotics 政治 診療報酬・医事法・保助看法
Economics 経済 失業率・GDP・医療費
Society 社会 ワーィライフバランス・少子高齢化
Technology 技術 新技術・電子カルテ・ロボット支援
PEST分析

マクロというだけあって大きな問題ばかり、PEST分析は基本的に手が届かない壮大な現状分析になります。

SWOT分析 〜内部環境と外部環境の分析〜

なーさん
なーさん

SWOT分析で現状分析、課題発見を行い
クロスSWOTでは課題解決への対策を決めます。

SWOT分析 
あるべき姿に向けた4つの要因を明確にする
強み
組織の良いところ
弱み
組織の悪いところ
機会
追い風になること
脅威
逆風になること

4つのマスに『あるべき姿』に向けて自部署が持っている『強み』『弱み』『機会』『脅威』を書き出します。

「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」の視点でについて1つずつ洗い出してみましょう。

「ヒト」の強みは〇〇、弱みは〇〇、という感じです。

例えば、僕が勤務する病院ICUの早期リハビリへのSWOTを簡単にあげれば

強みは:医師の数が多く協力が得られやすい、看護師やリハスタッフも人数は多い

弱み:目標の変化に看護スタッフの現状が追いついていない、システムが構築されていない

機会:やれば診療報酬が得られ収益が上がる。リハスタッフはやる気あり。患者を動かすと良いエビデンスが蓄積されてきている。

脅威:ICU内にリハビリのための設備(歩行器、スリッパ、車椅子など)がない

実際には、強み1、2、、、、と複数挙げていきます。
こうやって書き出すだけで、これから何をすれば良いか分かってきますよね?

SWOT分析で「あるべき姿」の実現に関連する情報を整理したら、次は『クロスSWOT分析』で課題解決のための対応策を検討します。

現状分析が崩れると計画が台無しになります

現状分析が正確でないと以降の計画は現実からブレたものになります。

カーナビの例でいうと、現状分析は「現在地情報」です。今いる場所が分かっていないと正確な道案内はまず不可能ですよね?
現状分析で要素の洗い出しが出来れば、後は理論に沿って組み立てるだけ。最初が肝心です。

ちなみに、実践計画書ができていれば全てのレポートを簡単にすますことができます。

クロスSWOT分析 〜4種類の対策〜

クロスSWOT分析では、 SWOT分析で振り分けた『強み、弱み、機会、脅威』の情報をクロス(かけ合わせる)ことで、課題解決のための対応策を導き出すことができます。

前回のSWOT分析ではこのような表ができました

問題:ICUでの早期リハビリが出来ていない↓

これをクロス(かけ合わせる)、すると4種類の対策が導き出されます

強み×機会=積極的戦略 強みを強化し機会は最大限にいかす

例:早期リハビリの良いエビデンスを広げ、リハスタッフと協働し豊富な人員を活用する。

強み×脅威=差別化戦略 強みで脅威を最小限にする

例:リハ室からの物品調達、その他の設備は人員を組織化して準備する。

弱み×機会=段階的対策 弱みを打ち消す対策を考える

例:スタッフ教育にはリハビリスタッフからの勉強会を検討、診療報酬加算での収益化を見える化する

弱み×脅威=最悪を回避する対策  弱みを最小にし脅威に備える

例:目標を明確に周知して早期にシステム(マニュアル作成)、病棟全体の業務を調整する

なーさん
なーさん

今回はサンプルの問題ですが、実際にはSWOTの各項目がそれぞれ 強み1.2.3…と複数あるでしょう。それぞれをクロスするともっと沢山の対策がでてきます。

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