こんにちは、地方大学病院のICU勤務をしている看護師のなーさんです(Twitterはこちら)
僕には看護学校からの知り合いで『社会人から看護師になった人』がいます
彼は、営業職として会社に勤めていましたが
今の仕事は自分に合っていない、将来性も不確かだし、看護師になって人生を変えてみたい
と感じて看護学校へはいりました、そして同級生には同じような境遇の社会人学生が14名
僕自身は現役生でしたが、共に過ごし現在を知る身として
『看護師へのジョブチェンジ』は人生を変える良い方法だ
と確信しています
今回は『一旦社会に出たけど看護師になりたい・目指したい』といった方へ向けて
社会人から看護学生となった『同級生』たちの実際をお伝えします
今回の記事では以下のような疑問にお答えします😄
- 社会人看護学生はどんな人たちだった?
- 金銭面の事情は?
- 看護学校に入るまでの行動
- 学生時代の様子
- 就職して今現在の様子
- 【なるなら今】の理由
社会人看護学生はどんな人たち?
動機
社会人が看護師を目指すのは様々な理由がありますが、大きく分けると以下の2パターンでした
- 高収入で失業リスクのない安定を求めた
- 看護師の仕事に興味があった
解説します
【高収入で失業リスクのない安定を求める方】
一旦は他の職業で社会に出たものの、思ったような給与がもらえず、収入アップのために看護師を目指す方々で
最も多くの社会人学生が当てはまります
看護師の平均年収は2019年で480万円で、これは若い世代の平均年収よりも100〜150万円プラス
いくら『看護師は激務!』と言ったところで、看護師になることが収入の壁を超える有効な手段であることは疑いようがありません
また、業界は慢性的な看護師不足なので就職で困ることはなく、むしろ、これから高齢化が進むためさらに需要が増します
【看護師の仕事に興味がある方】
こちらは元々看護師という仕事に興味があった、もしくは興味がわいた方々
興味がわく原因となったものは『ナイチンゲール覚え書きを読んだ』、『医療系ドラマなどの創作物に触れた』、『患者として看護師と接した経験がある』など
自分に正直に興味のあることにチャレンジするって本当は難しいこと、人生の舵をきった同級生たちをリスペクトしています
お金に関係なく、看護師は『小学生のなりたい職業』女子の第2位でしたね
年齢・性別
若さでは負けても総合力では年下には負けません!
こちらも様々ですが、一般的に看護専門学校の入学には年齢制限はありません
入学当時の年齢は、高卒1年後の19歳から上は42歳
性別は男女比は4:6、男性は20後半〜30半ばが多かったです
ただ、社会人学生の方々はアグレッシブな人が多く、バレーやサッカーなどの運動も活発でした
元の職業
オレはノルマに疲れたんだ、ノルマのない仕事がしたい
元の職業では男女ともに『営業職』が最も多かったです、男性は外回り、女性は店員さんなど
営業職の方はノルマが絶対なので『ノルマのない看護師』に憧れたのだそう、社会人経験があってこその動機で、切実でした
その他には
- 大手自動車会社の管理職
- 専業主婦
- 養護教員
- ヨガインストラクター
- アルバイト
僕が把握しているだけでもこれだけ、多種多様でした
学費はどうしてた?
学費は『社会人時代に蓄えた人』『両親から出してもらう人』『附属病院独自の奨学金制度を利用する人』などがいました。
大半の看護学校は基本的にアルバイト禁止です、ただ暗黙の了解で皆やってました
先生たちにとっても『経済的理由で退学されるよりはマシ』で、探られたりはしません
学費は初年度に120〜150万前後かかり、以降2年時3年時に60〜70万が相場なので現役生もアルバイトで稼ぐのが前提でした
独自の奨学金制度を受ける場合は必ず事前に問合せして内容を確認してください。また、働くことになる附属病院の労働環境についてのリサーチは必須!
あと、現在では国が支援する『専門実践教育訓練給付制度』を受けることもできます。
まず自分がその対象になるかはハローワークに問合せするのが確実です。その上で、対象となっている学校を検討しましょう。
全国で234の看護学校が対象となっています。
社会人学生の強みと弱み、学生時代の様子
強み
一般の現役生に比べて、社会人経験があるのは強みです、社会人としてのマナーが身についているので、現役生が物怖じする先生とも親しく話していました。
また、実習では患者さんとのコミュニケーションに苦労しますが、社会人学生の方々は慣れた様子で会話を弾ませていました(営業経験のなせる技です)
さらに、社会人時代に培った論理的思考(ロジカルシンキング)をもっているので、看護展開にも説得力があります
現役生と同じグループで行動するかどうかは、年齢にもよりますが大体分かれていた印象
今思えば18歳の女子たちと話が合わないのは普通かも
上手くやるパリピもいましたけどね、若手は楽しければOKなんで
弱み
社会人としての経験がそうさせるのか分かりませんが「この学校や業界(看護)は異常だ!」というような波乱を呼ぶような人が一部いたことも事実です
波風たてず、ができる人でないと体制側との衝突で疲弊してしまうでしょう
看護学校に入る前の行動(さすが大人だ)
情報収集
当時の僕は彼らの『学校に入る前の下準備が入念だったこと』に「さすが大人!」と驚きました
なんというか、世の中のサービスを上手く利用して準備段階を進めていたことが、高校を卒業したての僕には斬新だったのです
学校えらびは地域の看護学校から学費や国試実績、実習施設などを考慮して選んでいました
このうち、国試の実績に関しては、各校がHP上で公開しています、90%以下とかのよっぽどでなければ気にしなくて良いです(ちゃんとしていれば受かるので)
ポイントは『看護実習の実習施設が近場ですむ学校』を選ぶこと、これは大きいです
なぜなら、学校によっては『実習場所が他県』が普通にあり得るから
いくつもある実習のたびに滞在費や交通費が発生していては家計に大ダメージです
全ての実習を近場で済ますのは難しいですが、せめて滞在費が発生するような実習は1つ2つが限度でしょう
僕は1つの実習だけ遠方施設だったので、3週間だけレオパレスをかりました。10万ぐらいだったかな、、(両親に感謝です)
リサーチ力の高い社会人が集まる学校はコスパが良い証拠です
学業面の下準備
会社には退職を伝えているし、受験に失敗する訳にはいかないからね
社会人学生の大半は看護学校に入る前に看護系専門の予備校に通っていました
社会人となると学業から離れてい、いざ看護師になろうと思い立っても学校入試に対して不安が残ります
そんな心理もあってか、大半の人が予備校に通っていました
入学時には『同じ予備校グループ』が出来上がっていて、彼女らは最後まで仲がよく少し羨ましく思ったのを覚えています
社会人が予備校にかようのは時間的に困難なことがありますが、現在ではオンライン受講が可能な『オンライン看護予備校』もあります
就職先は現役生とかわりない
就職先は現役の卒業生と大きな違いはありませんでした、まさに『看護師免許の恩恵』
知る限りは希望の施設へ就職できていました
どの施設も看護師不足は深刻です、東京や大阪など全国の希望の土地へ散らばっていきました
10年後の現在は何をしている?
10年後の現在、僕が慕っていたアニキは老健施設で管理職についています
他には、臨床経験をつみ試験を受けて看護学校の先生になった人、放送大学などで追加で博士号をとったりしています
人によって能力に差はありますが、入職してからの努力が大事で『社会人組かどうか』はあまり関係ありません
今の大学病院にも他職の経験がある同僚もいますし、専門教育を受け免許を取れば看護師です
おわりに、社会人から看護師になるのが難しくなる?
日本看護協会は「看護教育を一律4年制にしたい」と考えています
それは、看護の専門性向上を目指してのことで、看護師として賛成すべきものです
ただ、そうなると免許取得まで必要な期間が1年間延長することになるので、現役生も勿論、制約の多い社会人看護学生にとっては免許取得までが厳しくなる改革です。
なので
タイトルにも【なるなら今】と付けさせてもらいました
この投稿が皆さま方のお役に立てたら幸いです