ファーストに応募するんだけど、志望動機ってどう書けばいいの?
ファーストレベルのレポートは論理的に書きましょう。
このページでは、ファーストレベルの志望動機を論理的に書く方法について解説しています。
「これから課題レポートに取り組む」または”「今まさに悩んでいる」という方は、もくじだけでも目を通してみてください。レポート作成の役に立つはずです。
論理的な文章は、順序立てて前後の関係性を積み上げていけば誰でも作ることができます。
また、当ブログは、ファーストレベルのレポート対策を複数投稿しています。忙しい中で、いかに効率よく研修を終えられるかを左右するのはレポートの効率化です。
ぜひご活用ください。
ファースト受講生の大半がこれを見ながらレポートに取り組みます。
ファーストレベルの志望動機に論理性を持たせる2ステップ
まずはじめに、受講動機を論理的に書くステップは大きく分けて2つ
- STEP1:管理者として解決したい問題・課題を伝える
- STEP2:その問題解決に看護管理能力が必要だと伝える
以上「STEP1+2」で、立派な志望動機が出来上がりです。
これを文章で伝えることが出来れば、「この人は受講すべき!」と、評価者に思ってもらえるようになり、必然的に合格します。
そして、伝える時に必要なのが「文章の論理性」です。
さて、どうすれば論理的なのか?
まずはこれを確認しましょう。
論理的とは、主張と理由がつながること
「論理性がある」とは「根拠(理由)があり、主張との関係がある(わかる)」ということです。
例えば「これはコーヒーカップである」という主張に論理性を感じますか?
残念ながら感じられません。なぜなら、それがコーヒーカップである根拠(理由)が示されていないからです。
根拠を付け加えると「持ち手があり、厚みがある。だから、これはコーヒーカップである」もしくは「これはコーヒーカップである。なぜなら、持ち手と厚みがあるからだ。」となります。
目の前の物体に、コーヒーカップの特徴である「持ち手」「厚み」を関係付けることで、その物体がコーヒーカップであると言う主張に論理性(つながり)が発生しました。
このように、論理性は「主張」と「根拠・理由」が関係性をもった時に発生します。
つまり、レポートでは根拠を示しながら主張を展開するのが大事なわけです。
論理性は”理解”への橋渡しです。
『根拠(理由)』が分かると物事の理解がスムーズになりますよね
ファーストレベルの志望動機に最適な流れ
冒頭で結論を述べる 〜看護管理を学びたい(主張)+理由〜
課題で「受講動機を述べよ」と問われているので、まずそこを明確にします。
これから述べることを冒頭で明確にしておくと、評価者の頭の中に理解の枠組みが生まれ、以降の読みやすさにつながります。
受講目的を最もシンプルに言うと「看護管理について学びたいから」です。
そりゃそうだ
ただ、これだけでは”主張のみ”の状態で論理性はありません。よね?
じゃあ、何のために看護管理を学びたいと思うのか?
受講のざっくりした目的は『看護管理を学ぶこと』。
では、真の目的は?
それは、『看護管理能力を発揮して(何か)問題を解決するため』でしょう。
この「主張(受講したい)」に「理由(根拠)」を付け加えてみると・・・
「今回私が教育課程を受講を希望した(する)理由は、看護管理を学び自施設の患者満足度向上に役立てるためである。」
「ICUでの早期リハビリテーション導入に、チームマネジメントや計画力などの看護管理実践能力が必要である。なので私は看護管理者教育課程の受講を希望する(した)。」
となります。
これで、「受講したい」という主張に理由・根拠が伴った冒頭文が出来上がりました。
そして、みなさんが抱いている問題(理由)は、所属する施設内で生まれたもののはず、次は、「理由」が所属する施設(部署)の現状から論理的に導かれたものであると評価者へ説明します
受講動機が発生した背景を伝える
受講動機(解決したい問題)が発生した背景について読者に伝えます。
そのためには、まず『理想と自組織の現状』を比較して問題を抽出する作業が必要です。
理想から述べます(例文2つ)
- 「患者満足度は全日本民医連が制定した医療の質を表す指標の1つである。」
↑これで、理想は患者満足度が高い状態だと分かります - 「集中治療における早期リハビリテーションガイドラインでは、入院後早期に開始するリハビリテーションが患者の退院時の機能的自立度を改善し、在院期間の短縮に効果的と述べられている。 」
↑これで、『早期リハビリ』が重要と分かります
なので、理想は「患者満足度が高い」や「早期リハビリに取り組んでいる」状態です。根拠は公的な団体やガイドラインといった権威性のある存在が支えています。
この”理想の状態”と”あなたの施設の現状”を比較してギャップ(問題)抽出します。
文章化すると
今の体重は60kgだけど、理想は40Kg。
あと20Kg 痩せて理想の体型を手に入れるための課題は、運動や食習慣の改善を行うことです。
となります。
👉 問題の背景は具体的かつ客観的に書く必要があります
具体的かつ客観的ってどんなこと?
具体的かつ客観的な描写には定量化されたデータ(数値)を用います。
❌:今年の褥瘡発生件数は昨年より多い
⭕️:今年の褥瘡発生件数は30件であり、昨年の20件より多い
数値があれば一目瞭然です
もし、部署のデータが数値化されていなければ、自分である一定期間の統計をとってでも数値化した方が良いでしょう(それぐらい数値化は重要)。
改善の指標を設定するときにも数値は必要になります!
比較対象は「目標となる理想の数値や状況」。たとえば
- 他施設の平均
- ガイドライン
- 国の指針 などから引っ張ります
それを自施設と比較して「うちのココが平均より下」または「今は平均的だが病院経営の視点から今後ココを伸ばすべき」と、動機の発生が必然的だと伝わるように記載します。
【私の場合】
2週間程度の「早期リハビリ着手状況」を集計し数値化しました。
そして、厚生労働省の資料やガイドラインの理想とする数値を引用・比較して「今は出来ていない」という問題を抽出しました。(委員会のある分野は数値化されている事が多いので、退院支援や褥瘡予防、安全管理などは長期間の数値が手に入りやすいです。)
あと、使う言葉の定義には気をつけましょう。これでOK!と思っていても、読み手とすれ違いになるリスクがあります。看護管理に関することは、看護協会が発行する「用語集」でも確認できます。
問題に対して課題を提案する
問題の解決へ必要な課題を出します。
ここでは、自分が考えた課題(またはそう思われる)にはなんの価値もありません。
根拠を示すために過去の文献を探して、引用・参考しましょう。大抵の問題は看護管理や、ビジネスのマネジメントといった方面から対策を立てることができます。
「このタイプの問題については過去の研究で効果が実証できている。だから、私も対策として実施する。」という流れです。
同じ対策をとるとしても、下の方が100倍 説得力がありますね。
👉 看護管理の文献検索は看護協会のキャリナースが便利!
マネジメントにまつわる諸々の問題にはビジネス界で理論化された対策があります。検索や書籍から自分の施設にあった対策を見つけましょう。
大抵は『問題(例えば患者満足度)』と検索すると、その対策を調べた文献が出てきます。
詳しくは↓の記事を参照して下さい。
「課題」と「看護管理能力」に関係性を持たせる
「患者満足度を向上」や「早期リハビリ体制の構築」が課題だからと言って看護管理者教育を受ける必要があるとはまだ結びつきません。
細かいですが、ここにも関係性を記述する必要があります。
例えば
患者満足度調査で行ったアンケート結果では、職員の接遇や入退院調整のカテゴリーの評価が他の平均より低かった。対策として接遇の改善や、入退院調整の向上が今後必要である。この計画に必要な組織マネジメントやヘルスケアシステムをはじめとした看護管理上の知識を得るために看護管理者教育過程の受講を志望した。
などとすれば『具体的にファーストレベルで何を学びどうしたいか?』が読み手にも伝わります。
課題の達成のために看護管理者教育課程を受講する必要が、私にはあるんだ!と、伝わります。志望動機をより強烈に伝えるための最後の詰め、です。
これで、ファーストレベル受講の動機が背景・問題・課題と共に明確となりました。
募集レポートではここまで(課題の設定)で十分ですね。
受講動機についてのレポートで大事なのは、あなたが「ファーストレベルを受けてどうにか解決したい!」と思ったその過程を、評価者に『追体験・共感』させること
評価者を共感させることが出来れば必然的に合格します。
つまり、レポートは看護管理実践計画書を文章化したものになります
看護管理実践計画書(以降 実践計画書)をご存知でしょうか?
実践計画書は、看護管理者が『組織を理想に近づけるための計画書』で、ファーストレベルの最終レポートがこの計画書です。
ファーストレベルのレポートに『問題と課題』をお題にしたものが多いのは、その二つが明確じゃないと論理的な実践計画書が書けないからです。
これを言い換えると、『自部署の問題と課題が見えている人』にとっては、実践計画書やレポートは思考を具体的に書いて評価者に伝えるだけのものになります。
問題と課題の抽出方法は実践計画書の過程そのものなので、「実践計画書を作ってみるのが早い」とも言えます。
↓の本は、授業が進むにつれて受講生のほとんどが持つようになります。僕はたまたま受講先に読んでいたのでファーストの全体像が把握できました。
レポートの文字数によって具体度の調整が必要
課題レポートには文字制限があるので、具体性を高めすぎると文字数が足りなくなってしまいます。
例えば「東京に住んでいる。」よりも「住所は東京都葛飾区立石5-13-1です。」の方が具体的です。しかし、詳しく書こうとすると文字数は多くなりますし、読み手がそこまで求めているか疑問です。
じゃあ、適切な具体性ってどういうこと?
それは、読み手の位置に関係します。
地方の人からすると「東京に住んでいます」で十分な情報です。しかし、東京在住者同士の会話ではもっと具体的でないと意味がありませんよね?レポートの評価者は普段あなたの隣(施設)にはいません。なので、細かく伝えようとして失敗すると「背景が分かりにくいなぁ、明瞭でないため減点。」と分かり難さだけが残る危険性があります。
つまり、細かすぎる描写はカットして、読みやすさに配慮した方がローリスクです。
「理解」の前には読み手との共通認識が必要です。
梅干し食べた顔!と、外国人に言っても通じません。それは、梅干しを食べた事がなく、酸っぱいという認識がないからです。相手によって説明の具体性を使い分けましょう!
この調整は、書いている時には気付きにくいものです。そのため、推敲(すいこう)という見直し、練り直しの作業が必要となります。
》》》客観的な推敲のための3つの方法はこちらの記事でまとめています
ファーストの対策は2つ「理論の理解」と「文章力」
ファーストレベルのレポートは、学習した理論を自部署に当てはめて論を展開する作業です。
ここで必要となるのが
- 「理論の理解」
- 「正しく伝える文章力」 です。
「理論の理解」については、受講していれば自然と頭に入ってきます。お高くて重たい公式テキストもここでは役に立つでしょう。使えるかな?と感じた理論を自分でさらに調べてみて、レポートに反映させるだけです。
しかし、「文章力」に関しては講義ではいっさいNo touch。自分で対策するしかありません。
教員はよく「文章がなっていない、何を言いたいの伝わらないレポートが多い」と言っていました。
これは、文章への対策を皆がとっていないため。ですが、その中で読みやすいレポートを出せれば高得点になります。
一番早いのは文章の書き方系の本を見てレポートを見直す方法です。たとえば「文章ベタな人のための小論文・レポートの授業」は、とても役に立ち、かつKindleで今すぐに無料で読むことができます。(僕も提出まえの見直しで焦っていたときに見つけて助かったので常に紹介しています)
Kindleを使った対策の詳細はこちらの記事をご参照ください。