新人時代はみな自分の事に必死で
周りをみる余裕なんてありません。
でも、ふと同期をみて気付きます。
「俺、遅れてない?」
自分の経験から、経験学習について考えてみました。
「あいつ、なんであんなに出来るようになってんだ?」
同じ指導者から同じ指導を受け
同じ職場で同じ物を見ていたはずなのに・・・。
担当する仕事も、成果も完敗なのに気付きました。
当時は自分の何が原因なのか分からず、詰め込み式の勉強をすることで気持ちを保っていました。
時は流れて「経験学習」と言う概念に出会いました。
あ、これか。
あの時の自分に足りなかったもの
それは「経験学習力」でした。
経験学習とは?
経験学習とは『人は実際の経験を通し、それを省察することでより深く学べる』という考え方
社会人の能力開発の70%以上は現場での経験によるものだそうです。
つまり、学校教育や研修が仕事に及ぼす影響は少なく、大半は業務経験からの学びです。
僕の場合は、外部での学習(休日の学習や研修参加)に必死でしたが、本当にやるべきは業務自体の振り返りでした。
コルブの学習サイクル
組織行動学者のデービット・コルブの「経験学習サイクル」では、学習のプロセスは以下の4ステージに分けられます。
- 具体的経験(Concrete Experience) 具体的な経験をする。
- 内省(Reflective oBservation) 経験を多様な視点から振り返る。
- 概念化(Abstract Conceptualization) 他でも応用できるよう一般化、概念化する。
- 試行(Active Experimentation) 新しい状況下で実際に試す。
大事なのは”内省(リフレクション)スイッチ
この中で、特に大切なのが内省、リフレクションです。
なぜ、リフレクションが大事かと言うと、自分で意識する必要があるからです。
『経験』は受動的。働いてれば誰しも経験を積みます。
問題はそこから先、リフレクションに進むかは自分次第です。
なので、受動的か能動的かという点で、「経験」と「内省」は決定的に違います。
では、リフレクションってどうするでしょうか?
リフレクションの具体的な方法は?
松尾睦氏は著書 ” 職場が生きる 人が育つ「経験学習」入門 “で、リフレクションの方法として以下の3つをあげています。
- 行為の中で内省する
- 他者からフィードバックを求める
- 批判にオープンになり未来につなげる
順に考えていきます。
1.行為の中で内省する。
ルーチンワークもその意味を考え理解していると、状況によって変更する必要がある事に気付きます。常に自分に問いかけ、改善しながら仕事をする大切さです。3つのうち最も頻回に実行できます。
2.他者からフィードバックを求める。
ある精神科医によると「人は他者を通してでしか、自分を見ることができない。」ということです。自己分析だけでなく、他者からのフィードバックもリフレクションの質を高めます。
3.批判にオープンになり未来につなげる。
ただ、フィードバックの中には批判的な内容もあり、全てを受け入れていると身が持ちません。フィードバックを集めたら、取捨選択し「自分のためになるアドバイス」だけもらいましょう。
新人時代の僕は、敬愛するブッダの言葉を自分なりに解釈して向き合いました。
「概念化」・「試行」も自分次第
残り2つのステージ、概念化と試行も自分が取り組むことです。これらを言い換えると「概念化=教訓を引き出す」「試行=未来に適応する」となります。
例えば
「今日の申し送りは上手くいかなかった。」
を自己や周囲の反応から内省し「まとめが足りなかった。」と教訓を引き出します。
次にやることは、事前によくまとめておく。という試行になります。
上手くいくと「準備が大切であるという概念」を学習でき、申し送り以外の業務に対しても事前準備をする好循環を生みます。
「経験学習」に才能は必要ない
誰に教えられるでもなく、初めからこのサイクルを実践している人もいるでしょう。
でも、後からでも大丈夫。
もう理論化されてますからね。
仕事が終わってまで考えてられるかー!
となる前の数分間
その日の経験をリフレクションしてみてはいかがでしょうか。
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