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【新型コロナ】看護師が感染したら労災になるのか?

全国の看護師の皆さん、お疲れさまです。

先日、新型コロナウイルスの患者さんを担当しているときに疑問が浮かびました。

なーさん
なーさん

新型コロナ陽性患者と接した看護師が感染したら労災になるのか?

全国で急増している新型コロナの患者。対応する我々が感染した場合は労災として治療費や生活費などの補償を受けとることが出来るのでしょうか?

感覚的には「そりゃーなるに決まってるでしょ!」と思いますよね?でも、どうなんだろう?

そもそも、労災ってどういう事ですか?

ちょっと調べてみました

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労災とは?

労災(労働災害)は労働安全衛生法で以下のように定められています。

労働安全衛生法第2条1号では『 労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉塵等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう』

と定められていて

ざっくり言うと『労働者の業務上または通勤途上の負傷・疾病・障害・死亡のこと』です。

労働災害が認められると、治療費や休業中の手当が事業主から給付されます。労災認定されるかどうかで状況はいっぺんしますね

労災の分類

内容で大きく分けて2つ

  • 業務災害:業務上の負傷・疾病・障害・死亡
  • 通勤災害:通勤途上の負傷・疾病・障害・死亡

例えば「仕事中にこけて怪我をした」これは業務災害です。「自動車で通勤中の事故で怪我した」のなら通勤災害。

看護師は感染症の患者を業務で担当しているので、認定されるなら『業務災害』となります。

業務災害が認められる基準は?

業務災害は『業務と労働者がおった傷害に因果関係が証明された場合』にのみ認定されるもので、因果関係というのは『業務遂行性』『業務起因性』の視点で評価されます。

業務遂行性は、事業主の支配下にあったか?

業務起因性は、業務自体に危険性が潜んでいたか?

ということ。

業務災害では、アスベスト暴露による中皮腫が有名。アスベストと中皮腫発症の因果関係が証明されているため、指示によって作業した労働者の労災が認められています。

新型コロナは労災認定されるのか?

では、新型コロナウイルス患者を担当した看護師が感染した場合、労災認定されるのか?

直感的には「認定される」と思ってしまいます。当たり前だと。

しかし、感染症で労災認定を受ける事は、ほぼあり得ません。

理由は「感染源の特定が困難なため」です。

☑️ 感染症は労災認定されにくい

新型コロナは新しく、まだ参考になる記事は見当たりません。そのため、現時点では平成21年の、新型インフルエンザ流行時の見解が参考となります

一般に、細菌、ウイルス等の病原体の感染によって起きた疾患については、感染機会が明確に特定され、それが業務又は通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、保険給付の対象となります。

新型インフルエンザ(A_H1N1)に関する事業者・職場のQ&A(平成21年10月30日)より引用

末尾は「保険給付の対象となります。」と労災認定されそうな雰囲気ですが、違います。

途中の『感染機会が明確に特定され』という点が、流行性の感染症において不可能です。これは、どの感染症でも同じでしょう。

例えば、世界に1人しかいない新しい感染症の患者を担当して感染したなら、それは感染機会が明確だと言えます。

しかし、新型コロナは今や病院以外にもどこで感染してもおかしくありません。すでに感染機会があふれている現状で労災の認定は難しいと考えられます。

なーさん
なーさん

つまり、絶対に「仕事で患者から貰った」とは言い切れないということ。

ただし、Covid-19では今までにない騒動となっています。医療従事者を志す人材を確保するためには保証が必要だと言えます。

ダイヤモンドプリンスの船内で活動したあとに感染が判明した人たちはどうなのだろうか?あの時期ならまだ業務上の感染が明確と言えると思うんだけど・・・

労災認定されず!実際の事例が発生

新型コロナに感染してしまった看護師が労働基準局に問い合わせたところ、感染ルートの明確化が困難であるため認定は難しいと返答を受けています。

現実は厳しいです。

》》》この出来事が取り上げられた記事はこちら

どんでん返し!4月28日に厚労省が指針をだしました!

ちょっとお硬い文章ですが、全文はこちら”新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて”

大事なのはこの部分

具体的な取扱いについて
(1)国内の場合
ア 医療従事者等
患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、
介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となること

従来の労働災害の考え方を説明した上で、新型コロナではこのように対応するように労働基準局に通達しています。同じく、医療職以外の労働者にも適応は拡大される様子。

なーさん
なーさん

一般企業もテレワークを加速させることになるでしょう。

なぜなら、社員の労災が認定されると会社が治療費を負担するからです。これで社員のコロナ感染予防に本腰を入れるところもあるはず。

おわりに

新型コロナに関しては、他の感染症とは違った特別な対応が取られていることがわかりました。

ただ、当然ですが、労災どうこうでなく自分の身を守る気持ちが大事ですね。

別の投稿でも述べていますが、このままでは全国的な看護師の大量離職が避けられないでしょう。

特に感染病指定病院の看護師さんたちは普段からハイリスクな職場で働かれているのだと分かりました。

同じ職業だからこそ本当に尊敬します。

なーさん
なーさん

職場環境うんぬんの労働災害より、職業災害?と思った方がしっくり来ます。一刻も早く終息することを願うばかりです。

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