エンジョイメントとは、仕事に関心を持ち、やりがいや面白さを感じることで意欲が高まっている状態、および仕事をやりきることで達成感や成長感を感じている状態を指します。
職場が生きる 人が育つ「経験学習」入門 松尾睦著
達成感は大きな仕事を成し遂げたときに感じるもの。
しかし、新人看護師は大きな仕事にたどり着く前に挫折することも多くあります。
そのため、日常的な仕事に楽しみ(エンジョイメント)を見つけることができるか?
また、指導者が看護の楽しみに気付かせてあげれるか?
それが新人指導の重要な鍵となります
今回は、松尾睦著「職場が生きる 人が育つ経験学習入門」からエンジョイメントへの道筋を学習し、看護の現場ではどのような物があるかを考えます
面白さの兆候を見逃さない
面白さとはなんでしょうか?
よく考えると、看護の仕事の中には小さな面白さが沢山あることがわかります。
点滴の速度が上手く合わせれた、報告がスムーズにできた、採血に成功した、など経験を積むと当たり前になることでも初めは難しいものです。
初めての成功体験は貴重な物です。新人看護師の方は先輩が褒めてくれなくても自分を褒めてあげましょう。振り返りの中では、反省点だけでなく良かったことを思い出し、その原因を探ることも大切です。
いきなり重症患者を担当したり、病棟内プロジェクト任されるような新人は日本中探してもいません。1つ1つ小さな成功を重ねていくことしか道はありません。
なので、毎日1つで良いので新しくできたことを意識するのが大切です。
仕事の背景を考え、意味を見出す
与えられた仕事の背景を考え、自分なりの短期目標を持つことで達成感を得ることができます
上から与えられた仕事でも、この仕事が与える影響を理解すると将来的に自分の利益となることもあります。
命令された仕事でも与えられた権限を楽しむという発想が、エンジョイメントにつながります。
また、仕事を与える側が気を付ける事は『権限の移譲』です。
命令と同時に方法まで事細かに指示されると、やる側は自由がなく楽しみようもありません。
大きな目的を伝えて、後は担当者に一任する方が楽しみを引き出す事ができます。
達観して、後から来る喜びを待つ
これは多くの方が経験していると思いますが、仕事の楽しさは遅れてやってきます。
そして新しい仕事に取り掛かる時も、それを意識するのとしないのでは大きな違いがあります。
特に私たち看護師の仕事は患者へ与える影響が大きいものです。
その分プレッシャーを感じることもありますが、日々の勉強や技術の習得も『自分の関わりで患者が回復に向かった』や『急変の予兆に気付き対応できた』といった未来を実現するのに必要な対価だと分かれば努力することができます。
「経験学習」入門で変わった私の指導
経験から学習することは重要なスキルです。
この理論を現代風に解説した”「経験学習」入門:松尾睦著” は、ゆとり・さとり世代の新人看護師を指導する私にとって大きな助けとなりました。
日頃の指導にストレッチング・リフレクション・エンジョイメントを意識して関わることで、指導ばかりの関わりから脱することが出来たと思います。
こちらはファーストレベル人材管理Ⅰのレポート作成時に出会った本であり、私にとってファーストレベルは大きな学びの時期であったと思います。